記事一覧 · 公開日 2026-10-15
なぜ「a five-year plan」で、「a five-years plan」ではないのか?名詞の前の「数+名詞」には s を付けず、ハイフンを入れる
「5年」は five years ですが、5年間続く計画は a five-year plan です。s が消え、代わりにハイフンが現れます。「数+単位」が別の名詞の前に置かれて修飾語になると、単位は単数形に戻り、通常はハイフンでつなぎます。たとえば a ten-minute walk、a three-day conference、a 50-page report です。この記事では、このルールがどこから来るのか、sales department ではなぜ s が残るのか、複数形を保つ所有格の ten minutes' walk、そしてハイフンが必要な場合と不要な場合を解説します。
TOEICのサンプル問題に出てくる front desk と front-desk
ETSが公開しているTOEIC Listening and Readingの公式サンプル問題には、ホテル従業員2人の会話があります(問題35~37)。男性はこう切り出します。
I'm surprised to see you at the front desk this late.
女性は、ある人の代わりに勤務していると説明します。
I'm covering for a front-desk supervisor who was just promoted…
同じ会話の中で、同じ2語が一度は離して書かれ、もう一度は短い線でつながれています。これは誤植ではありません。最初の文の front desk は場所を表し、それ自体が名詞です。2番目の文では、front-desk が supervisor の前に置かれ、どのような supervisor なのかを説明しています。つまり、形容詞の役割をしているのです。
この短い線をハイフン(hyphen)と呼びます。その背後にあるルールは、もっとおなじみの次の間違いにも当てはまります。
なぜ「5年」は five years なのに、「5年計画」は a five-year plan なのでしょうか?
なぜ「a five-year plan」で、「a five-years plan」ではないのか?
まずは、いくつかの組み合わせを見てみましょう。
| 単独で使う場合 | 別の名詞の前に置く場合 |
|---|---|
| ten minutes(10分) | a ten-minute walk(10分の道のり) |
| three days(3日間) | a three-day conference(3日間の会議) |
| two hours(2時間) | a two-hour meeting(2時間の会議) |
| 50 pages(50ページ) | a 50-page report(50ページの報告書) |
| 20 dollars(20ドル) | a 20-dollar bill(20ドル紙幣) |
| five years(5年) | a five-year plan(5か年計画) |
ルールは一文でまとめられます。「数+単位」が単独で名詞句として使われるとき、単位はふだんどおり数に合わせて変わります(one year、five years)。一方、別の名詞を修飾するためにその前へ移ると、数がいくつでも単位は単数形になり、通常はハイフンでつながれます。
なぜでしょうか。a five-year plan で本当の名詞といえるのは plan だけだからです。five-year は、それがどのような plan なのかを説明しているだけで、a long plan の long とよく似た働きをします。英語の形容詞は数に応じて形が変わりません。1匹なら one big dog、3匹なら three big dogs であり、three bigs dogs にはなりません。five-year も形容詞の位置に入ると、形容詞のように振る舞います。
では、複数であることはどこに示すのでしょうか。本当の名詞に示します。この種の計画が2つなら two five-year plans です。s が付くのは year ではなく plans です。ハンディ990のリーディング問題には、この仕組みがよく分かる一文があります。
…a member who holds four two-hour client sessions each month
数は2つ、s は1つです。four が数えているのは sessions なので、sessions に s が付きます。two は各セッションの長さを示しているだけなので、hour は単数形のままです。
単位が単に s を失うのではなく、本当に単数形へ戻っていることを確かめる方法があります。不規則な複数形を使ってみるのです。foot の複数形は feet なので、人の身長は通常 six feet tall と表しますが、その高さのフェンスは標準的な書き言葉では a six-foot fence となります。戻ってくるのは単数形の foot であり、feet から何かを取り除いた形ではありません。
年齢にも同じルールが当てはまります。
- She is 30 years old. ここで years は名詞なので複数形になり、ハイフンは付きません。
- a 30-year-old engineer. 全体が engineer の前に置かれているので、year は単数形になり、3語すべてがハイフンでつながれます。
a 30-year-old は単独で名詞として使い、その年齢の人を表すこともできます。ハンディ990のPart 7の文章には、両方の用法が一文に登場します。its oldest ninety-one, and the ninety-one-year-old drove the engine when it was new. 最初の ninety-one は年齢で、the ninety-one-year-old は人を指します。

名詞を修飾語として使うとき、なぜ通常は単数形になるのでしょうか?
Five-year は、より広いパターンの一例です。英語では、名詞が別の名詞を修飾するとき、通常は単数形になります。
- A shoe store では、2足以上の靴も売っています。
- A toothbrush は複数の歯を磨くものですが、tooth が teeth になることはありません。
- イギリス英語の a car park には、複数の車が停まります。
よくある説明は、最初の名詞が数量ではなく種類を表している、というものです。A shoe store は「shoe という種類の商品を扱う店」です。靴が何足あるかは本題ではないため、複数形にする必要がありません。
ただし、「通常」は「必ず」ではありません。英語には s を残す修飾語がいくつかあり、その一つが TOEIC のサンプル問題にも登場します。102番の問題文は Jamal Nawzad has received top performance reviews ------- he joined the sales department two years ago. です。sales department の sales は s を残しています。
こうした例外の多くは、2つのグループに分けられます。
| 例 | 単数形にならない理由 |
|---|---|
| clothes shop | clothes には単数形がありません |
| customs officer | a custom は「習慣」、customs は「税関」を意味します |
| arms race | an arm は「腕」、arms は「武器」を意味します |
| savings account | 蓄えておくお金は savings、a saving は節約できた一つの金額を意味します |
| sales department | 販売という業務は sales、a sale は一件の取引や一度のセールを意味します |
| sports car | 定着した用法です。ただし、アメリカ英語には単数形を使う sport coat もあります |
つまり、s を取ると意味が変わってしまう場合(an arm race では腕を競う大会のように聞こえます)や、その意味ではほぼ常に複数形で使われる単語の場合には、s が残ります。
また、イギリス英語では、アメリカ英語よりも複数形の修飾語が多く使われます。デラウェア大学英文学科の名誉教授 Ben Yagoda は、アメリカに広まったイギリス英語の用法を、自身のブログ Not One-Off Britishisms で追っています。2019年の記事では、Google Ngram を使って、イギリスとアメリカの書籍における drugs party、covers band、drinks menu、books editor を比較しました。そして、複数形の名詞を修飾語として使う用法は、彼にはいかにもイギリス的な現象に思えたと書いています。アメリカでは従来、drug、cover、drink、book と言っていました。
ただし、five-year のような「数+単位」の修飾語は、イギリス英語でもアメリカ英語でも単数形です。
s を残したいなら?Ten minutes' walk と a walk of ten minutes
どうしても minutes の s を残したければ、英語にはほかに2通りの言い方があります。
| パターン | 例 | 説明 |
|---|---|---|
| 単数形+ハイフン | a ten-minute walk | この記事で扱っているパターン |
| 複数形+所有格 | ten minutes' walk | s の後ろにアポストロフィを付けます |
| 名詞の後ろに of | a walk of ten minutes | 数量を名詞の後ろに移します |
2つ目は所有格です。単位が1つなら a week's notice や a day's work、複数なら s の後ろにアポストロフィを置いて、two weeks' notice、three months' rent となります。a ten-minute walk の前には a が付きますが、ten minutes' walk には通常付きません。
この形と特によく組み合わされるのが notice です。ハンディ990のリーディングとリスニングの問題文では(同じ文が繰り返されている場合は1回として数えると)、「数+複数形の単位+所有格のアポストロフィ」という形が37回登場し、そのうち20回は後ろに notice が続きます。たとえば、thirty days' notice、two weeks' notice、48 hours' notice です。問題集の Part 5 には、Tenants are required to give thirty days' ___ before vacating the premises. という問題が1問あります。答えは notice です。
この2つの形は、しばしば置き換えられます。Cambridge Dictionary の notice の項目には、a week's/month's notice と、例文 I got my 30-day notice yesterday at work の両方が載っています。一方は所有格を使って複数形を残し、もう一方はハイフンを使って単数形に戻していますが、意味はほぼ同じです。
ハイフンはいつ必要?名詞の前では付け、後ろでは通常付けない
front desk と front-desk に戻りましょう。このルールは数字だけのものではありません。2語以上の語がひとまとまりになって後ろの名詞を修飾するときは、通常ハイフンでつなぎます。同じ語が名詞の後ろに来る場合や、それ自体が名詞として使われる場合は、通常ハイフンを付けません。
| 名詞の前(ハイフンあり) | 名詞の後ろ、または単独で使う場合(通常は分かち書き) |
|---|---|
| a well-known author | The author is well known. |
| an up-to-date list | The list is up to date. |
| a front-desk supervisor | She works at the front desk. |
| a five-year plan | The plan lasts five years. |
| a 30-year-old engineer | The engineer is 30 years old. |
The Chicago Manual of Style(『シカゴ・マニュアル・オブ・スタイル』)は、アメリカの出版界で最も影響力のあるスタイルガイドの一つです。その公式ブログ CMOS Shop Talk の2024年12月の記事によると、複合修飾語は名詞の前ではハイフンでつなぎ、名詞の後ろではつながない(a well-known author、an author who is well known)という書き方は、1906年の初版以来、Chicago のスタイルです。
なぜ名詞の前ではハイフンを付けるのでしょうか。ハイフンが読者のための道しるべになるからです。a front-desk supervisor では、ハイフンによって front と desk がひとまとまりであり、一緒に supervisor を説明していることがわかります。名詞の後ろでは、文の構造だけですでにその関係が明らかなので、道しるべの必要性は低くなります。
広く使われている例外が一つあります。-ly で終わる副詞にはハイフンを付けません。 The Chicago Manual of Style のQ&Aでは、第18版(2024年)に従い、-ly で終わる副詞から始まる2語の句形容詞にはハイフンを付けない、と明確に説明しています。したがって、highly-qualified ではなく、a highly qualified candidate、a newly opened branch と書きます。一般的な説明では、-ly がすでに「この語は後ろの形容詞を修飾しています」と読者に示しているため、道しるべは必要ないということです。better に替えると、ハイフンが戻ってきます。the Associated Press(AP)が2019年に示した指針では、例の一つとして a better-qualified candidate が挙げられています。
ハイフンは文法、それともスタイル?どのガイドに聞くかで変わります
ここは正直に言っておきましょう。ハイフンは、ほとんどの場合、文法ではなく表記スタイルの問題です。 スタイルガイドや辞書の見解も、すべて一致しているわけではありません。
- Merriam-Webster と Chicago では見解が異なります。 同じ CMOS Shop Talk の記事では、Merriam-Webster は well-known が名詞の後ろに来てもハイフンを残すこと、そして両者の見解が食い違う場合、Chicago のスタイルでは well known と書くことが説明されています。
- APは2019年に指針を変更しました。 Merrill Perlman が Columbia Journalism Review(2019年9月)でまとめたところによると、the Associated Press は現在、複合修飾語が一般に一つのまとまりとして認識され、ハイフンがなくても意味が明確なら、ハイフンは必要ないとしています。例として first quarter touchdown、chocolate chip cookie、real estate transaction が挙げられています。
ただし、ハイフンを省けない場合が一つあります。省くと意味が変わってしまう場合です。 同年のAPの指針では、ハイフンを省くと曖昧さが生じる場合には必ず付けるとされており、Poynter の記事(Kristen Hare、2019年9月)に掲載された例には small-business owner があります。
- a small-business owner:small business(小企業)を所有する人。
- a small business owner:体の小さな business owner とも読めます。
そして、英語の先生たちが特に好んで使う例がこちらです。
- a man-eating shark:人を食べるサメ。
- a man eating shark:夕食にサメを食べている男性。

a five-year plan の場合、ハイフンを省いて a five year plan と書いても誤解されることはめったにありませんが、正式な文書では通常ハイフンを残します。ハンディ990のリーディング問題とリスニング問題の本文では(同じ文が繰り返されている場合は1回として数えると)、two-day、one-year、24-hour のようにハイフンでつないだ「数字+単位」の修飾語が387回登場します。内訳は day が117回、year が66回、month が58回、minute が53回、hour が48回、week が38回、page が7回です。
TOEIC Part 5 ではどう出題される?
まず、はっきりさせておきましょう。ETS のサンプル問題には、five-year のような「数+単位」の修飾語はひとつもなく、ましてそれを問う問題もありません。ハイフン付きの修飾語として登場するのは、front-desk supervisor(35〜37 の会話)、on-site staff training(134 の選択肢 (A))、standard-quality paper(161〜164 のお知らせ)、data-processing services(177 の選択肢 (C))、On-hold messages(179 の選択肢 (B))です。サンプル問題ひとつだけでは、実際の試験でこのポイントがどのくらいの頻度で問われるかはわかりません。
とはいえ、Part 5 の問題にはしやすいポイントです。次は ETS の問題ではなく、私たちが自作した問題です。
The company signed a ------- lease for its new warehouse.
(A) three-years (B) three-year (C) three years (D) three-years'
答えは (B) です。見分け方は簡単で、空欄の後ろに何が来るかを見ます。
- 後ろに名詞(lease)が続く場合、「数+単位」は修飾語になります → 単数形にしてハイフンでつなぎます:a three-year lease。
- 後ろに名詞が続かず、「数+単位」が期間の長さを表しているだけの場合 → 単位はふだんどおり数に合わせるので、three なら years です:The lease runs for three years.(a 30-year-old のように全体が名詞になった形は例外で、後ろに名詞がなくても year は単数のままです。)
ハンディ990の問題集には、ちょうど逆方向から問う問題があります。
The office aims to process most requests within five working ___.
days / dated / day / daily
答えは days です。空欄の後ろには何も続かず、five working ___ 全体が within の目的語になっているため、単位は複数形になります。day が単数形に戻るのは、a five-working-day turnaround のような形になったときだけです。
日本語では数の後ろでも名詞の形が変わらない
日本語では、五か年計画(五カ年計画とも表記します)、10分の道のり、3日間の会議、3年契約と言います。数が付いても名詞の形は変わらず、年は 1年でも 5年でも同じです。そのため、日本語話者には five-year plan の year が単数形なのはむしろ自然に感じられます。
本当の落とし穴は逆方向にあります。「five の後ろには years のような複数形が必要」と繰り返し覚えてきたため、その習慣を five-year plan にまで持ち込み、five-years plan としてしまうのです。
日本語も英語と同じく、数を含むまとまりを名詞の前に置きます。覚え方としては、10分の道のりの「の」が 10分と道のりを結ぶ働きは、a ten-minute walk のハイフンとだいたい似ている、と考えてもよいでしょう。ただし、これはあくまで記憶の助けであり、両者が文法的に同じだという意味ではありません。
英語なので、もちろん例外もあります
いくつか、はっきりさせておきたい点があります。
- 「修飾語になる名詞は単数形」というのは傾向であって、絶対的な規則ではありません。 sales department、savings account、arms race、customs officer はいずれも s を残します。また、イギリス英語では、アメリカ英語よりも複数形の修飾語が多く使われます。
- 数を含む複合語でも、s を残すものがあります。 a two-thirds majority では、thirds が複数形のままです。ハンディ990のリスニング会話には the back-in-thirty-minutes sign も登場します。文全体をそのまま名詞の前に移した形なので、中の minutes も元のまま残っています。
- 複合語が名詞の後ろに来れば、必ずハイフンがなくなるわけではありません。 複合形容詞の中には、どこで使ってもハイフンを付けるものがあります。The Chicago Manual of Style(『シカゴ・マニュアル・オブ・スタイル』)の第18版では、その例として cost-effective、old-fashioned、short-lived が挙げられています。辞書で確認するのが最も安全ですが、辞書同士でも見解が一致するとは限りません。
- -ly で終わる語がすべて副詞とは限りません。 Family は -ly で終わりますが名詞なので、a family-sized pizza にはハイフンが必要です。The Chicago Manual of Style の Q&A でも、まさにこの質問が取り上げられています。
- 細かな規則はスタイルガイドによって異なります。 この記事は主に Chicago に従っていますが、報道記事で使われる AP には独自の規則があります。試験や正式な文書では、名詞の前ではハイフンを付け、後ろでは付けないのが最も安全です。
- 問題集から示した数は出現回数であり、このポイントを問う問題の数ではありません。
まとめ:five years、plan はひとつ
a five-year plan には five years の期間がありますが、plan はひとつだけです。s は、実際に数えているものに付きます。plan がふたつなら two five-year plans です。five years は、それぞれの plan がどのくらい続くかを表しているだけです。
次に Part 5 で three-year、three-years、three years が並んでいても、年の数を数えようとしないでください。空欄の先に目を向けましょう。後ろに名詞が続くなら、s が付くのはその名詞です。何も続かず、期間の長さを言っているだけなら(runs for three years)、s は years に戻ります。
ハンディ990の「文法練習 → 名詞・代名詞 → 名詞の所有格」では、two weeks' notice のような時間を表す所有格を扱っています。このシリーズの別の記事では、fishの複数形とは? the fishが1匹の魚にも魚の群れ全体にもなり得る理由で単数形と複数形が同じ形に見える名詞を、英語の店名につく 's とは?Macy's は Macy ではなく、McDonald's も McDonald ではありませんで別の種類の所有格を説明しています。